製造や物流の現場では、日々多くの廃棄物が発生しています。その中でもプラスチックは軽量で扱いやすい反面、処理方法に頭を悩ませる企業が少なくありません。廃棄コストの上昇や環境規制の強化により、従来の「捨てるだけ」の対応では限界が見え始めています。

一方で、リサイクルを積極的に取り入れる企業では、処理コストの削減や取引先からの信頼獲得といった成果が生まれています。今回は、工場から排出される廃プラスチックを効果的にリサイクルした事例を紹介し、成功のポイントを探っていきます。

工場廃プラリサイクルの現状と課題

日本の製造業において、工場から発生する廃プラスチックは依然として大きな課題です。原料搬入に使用されたフィルム、成形工程で出る端材、物流用資材など、種類も量も多岐にわたります。これらを「産業廃棄物」として処分する場合、焼却や埋立に頼ることが多く、処理コストの上昇や環境負荷への懸念が高まっています。

さらに、国際的な廃棄物輸出規制や国内リサイクル施設の受け入れ制限により、「今まで通りの処分方法」が通用しないケースも増えてきました。

その結果、

• 処理費用が膨らみ経営を圧迫する
• 廃棄物保管スペースが不足する
• SDGsや環境対応の観点から取引先から改善を求められる

といった問題が、現場の担当者を悩ませています。

その一方で、廃プラスチックを「再生資源」として有効利用する取り組みが進み、企業にとっては「コスト削減」や「環境対応」の両立を実現できるチャンスにもなっています。ここからは、実際にリサイクル導入によって成果を上げた事例を紹介します。

成功事例1：食品工場のコスト削減

ある食品工場では、原料を梱包するためのフィルムやパッケージ材が大量に廃棄されていました。従来は焼却処理を委託し、年間数百万円規模の処理費がかかっていました。

そこで廃プラスチックをリサイクル資源として回収し、種類ごとに分別して再生利用できるスキームを導入しました。

その結果、

• 年間の処理コストを約30％削減
• 廃棄からリサイクルへの転換で環境報告書に掲載可能
• 大手取引先へのアピール材料に活用

という効果が得られました。特に「コスト削減と環境対応を同時に実現できた」点が経営層から高く評価され、社内でもリサイクル推進の機運が高まりました。

成功事例2：製造工場の廃棄量削減

樹脂部品を製造する工場では、成形不良品やランナーと呼ばれる端材が大量に発生していました。これらは従来、すべて産廃として処理されていました。

リサイクル導入により、分別後に粉砕し再ペレット化する流れを構築したところ、廃棄物として処分していたプラスチックの7割以上を再利用できるようになりました。

結果的に、

• 廃棄量を年間で約200トン削減
• 原料として自社製造ラインに一部再投入可能
• 廃棄費用を抑制しつつ、原料調達コストも軽減

という「二重のコスト削減」につながりました。廃棄物の削減は工場のイメージアップにも直結し、地域社会からも環境に配慮した企業として信頼を得るきっかけとなりました。

成功事例3：物流企業の資源循環モデル

物流企業においても、使用済みパレットや梱包材が大量に発生します。ある物流センターでは、これまで使い終わったプラスチック製の資材をすべて廃棄していましたが、リサイクルの仕組みを取り入れることで循環型モデルを確立しました。

回収した資材は再加工され、新たな物流資材として再利用されるようになり、

• 廃棄量ゼロを目指す資源循環モデルを構築
• CSR活動として社外に広報可能
• 顧客企業からの信頼度向上

といった成果を生みました。特にBtoB取引では「環境配慮の取り組み」が評価指標のひとつとなっているため、営業活動にもプラスの効果がありました。

成功事例から学ぶ3つのポイント

上記の事例から見えてくる成功の共通点は、以下の3つです。

1. 分別体制の構築
   素材ごとに分別することで、再生利用の可能性が大きく広がります。現場での工夫や教育が重要です。
2. コスト削減と環境対応の両立
   単なる「処理費削減」ではなく、環境対応を加えることで社内外への説得力が増します。
3. 取引先へのアピール効果
   リサイクル導入は、顧客企業や株主への「責任ある企業活動」の証明にもなります。

このように、リサイクルは単なる廃棄処理の代替ではなく、企業戦略の一部として位置づけられるのです。

阿波の支援実績と導入効果

株式会社阿波では、産業廃棄物収集運搬業の許可を持ち、工場廃棄物プラスチックのリサイクル支援を数多く行ってきました。特に「安定した回収体制」と「適正処理の確実性」に強みがあります。

導入企業からは、

• 廃棄費用が年間数百万円単位で削減できた
• 保管スペースに余裕が生まれ、工場運営が効率化した
• 環境対応の評価が上がり、新規取引にもつながった

といった声が寄せられています。

阿波のサポートは、単なる廃棄物処理の枠を超え、企業が「持続可能な経営」を実現するためのパートナーシップでもあります。工場廃プラリサイクルを検討されている企業の方は、ぜひ一度ご相談ください。